大好きだったパートナーを嫌いになっちゃうのは何故?
こんにちは!井上ききです。
ご主人のどこを好きになりましたか?
パートナーのどんなところが好きで結婚を決めましたか?
面白いことに、私たちってパートナーの好きになったところと同じところを嫌いになってしまいます。
どういうことかというと、例えば、優しいところを好きになって結婚して、家族になると、同じく優しいところが嫌いになる。
優柔不断に感じてしまうとか、そんなのエゴで優しさじゃない!とかなんとか言い始めるのです。
そうやって倦怠期といわれる夫婦の危機がやってきます。
この記事ではそんな夫婦の事例を3つご紹介し、倦怠期を乗り越えるための方法をまとめに書きました。
なんでひとりで威張ってんの!?
Wさんの例をシェアさせていただきます。
Wさんは、ご主人の威張り散らしているところに嫌悪感を感じて、これはモラハラなのでは?とご相談に来られました。
日に日に、何を言われてもモラハラだ!と感じてすべてが嫌いになってしまったそうです。
カウンセリングをしながら、どのような思い込みや執着があるのかを探っていくと、Wさんの幼少期は非常に過干渉なご両親に育てられてきたことがわかってきました。
なんでもご両親が決めてしまって、旅行に行ったときに何をお土産に買うのか、どのお友達と仲良くするのか?今日は何を着て出かけるのかまで指示をされて来たのです。
そのため、自分で決めて行動することができないし、とにかく自信もない、といった状態でずっと生きづらかったとおっしゃいます。
そんなWさんにとって何でも決めてくれて、着ている洋服に合格か不合格かを示してくれる男性はとても魅力的に感じたわけです。
しかし、結婚し数年経った頃から、窮屈に感じ始め、嫌悪感に変わっていきました。
これ、Wさんに何が起こっているのかというと、「私は決めてはいけない」という思い込みに支配されている状態。
幼少期にすべてをご両親に決められてしまう中で握った思い込みです。
ご主人を好きになったときも、この「決めてはいけない」という思い込みによって、代わりに決めてくれる人を好きになったのですが、
嫌いになったときも、同じく「決めてはいけない」を今度はご主人に投影し、決めることはイケナイことなのに、なんでひとりで威張って決めてるの!?と嫌悪感を感じてしまうのです。
なんで思い通りに生きようとしないの!?
Nさんの事例。
Nさんは、ご主人がなんでも言うことを聴いてくれて、自分の想いを叶えてくれるところが大好きで結婚を決めました。
迎えに来て欲しいときは来てくれるし、行きたいとこに連れて行ってくれる。
家具やインテリアもNさんの思い通りにすることができたのです。
しかし、結婚してしばらく経つと、なんて主体性のない人なんだろうと感じて、イライラするようになってしまいます。
このケースも、Nさんの「思い通りに生きるべきだ」という執着が原因。
思い通りに生きるべきなのに、ぜんぜん自分のやりたいことをしないし、自分の想いを語らない夫に対し、
「思い通りに生きるべきなのに、あなたはなんで、そんなに主体性がないの!?」とイライラするわけです。
Nさんはこうおっしゃいます。「そういえば子どもの頃、いつも父親の顔色を見て生きる主体性のない母親を見て、悲しくなってました」
だから、「思い通りに生きる」ということに執着していたのです。
嫁がバカでイライラする
今度は男性側の視点としてHさんの例をシェアします。
Hさんは奥さまと付き合っているとき、奥さまがちょっとお馬鹿で天然なところが大好きでした。
しかし、結婚して何年か経つと、奥さまのおバカなところにイライラしてしょうがなくなって、友達とのお酒の席で、奥さまの悪口が止まらない自分に気づいたのです。
このケースはHさんの無意識の中の「バカにされちゃいけない!」という強い執着が原因でした。
奥さまと付き合い始めた当初、奥さまはおバカで天然だったので、そんな奥さまをバカにしていれば安全だったわけです。
なぜなら決して自分がバカにされることがないからです。
しかし、結婚して奥さまが家族になってみると、「決してバカにされてはいけないのに、何でオマエはそんなにバカなの!?そんなんじゃ、みんなバカにされちゃうじゃないか!」とイライラするようになったのです。
Hさんは、幼少期から父親の建築業の跡取りとして育てられ「二代目!二代目!」と呼ばれてきました。
そんな中で、自分より優秀で年上の社員にもバカにされない自分にならなくちゃ!事務員さんにもバカにされない自分にならなくちゃ!という強いプレッシャーを感じてきたそうです。
大好きだったパートナーを嫌いになっちゃうのは何故? まとめ
パートナーを好きになるのも、嫌いになるのも全部、無意識の中の思い込みや執着のせいです。
でも、その思い込みや執着さえ手放せれば、必ずもう一度パートナーを愛せる日がやってきます。
Wさんの場合、「決めてはいけない」という思い込みを手放すために、自分で決める練習を開始しました。
次のステップは、ご主人や家族と一緒に決める、つまり合意点を見つけていくという練習です。
Nさんの場合は、「思い通りに生きるべき」という執着を疑ってみたところ、「もしかすると、夫の場合は私を喜ばせていることがまさに思い通りに生きてることなのかも」と気づきました。
そして、Nさんが執着しなくなると、ご主人が自分のやりたいことをやるようになったそうです。
Hさんは、そもそもバカであろうとそうでなかろうと、二代目として無条件に必要とされている、ということを握り直せばいいのです。
そうすれば、自分も鎧を脱いでありのままでいられるし、同時に奥さまの天然なところをもう一度、愛することができます。
私たちは、こうやって自分の中にある不必要な思い込みや執着に気づいて向き合うために、今のパートナーを選んでいます。
もちろん、自分の思い込みや執着には気づいてないんだけど、無自覚にしっかりその執着を発動させてパートナーを選びます。
恋ってつまり執着ってこと。
だから、その執着を手放したときに、恋が愛に変わるんだろうと思うのです。