【中学2年生不登校の母親体験記】子どもに死にたいって言われたら?
こんにちは!井上ききです。
長男が学校に行けなくなったとき、わたしの子育てにおいてもっとも大きな気づきがいくつかありました。
不登校になって2か月足らずで学校に行けたのは、なぜだったんだろう?と改めて振り返ります。
今、お子さんの不登校に直面している方のために忘れないうちに書いておこうと思います。
夏休み明けに学校に行けなくなった長男のこと
昨年の9月のこと、中学2年生だった長男が学校を休みがちになりました。
夏休み明けのテストで数学がわからなかったことがきっかけで、強い不安によって神経性の胃腸炎になっていました。
朝になるとお腹が痛くて行けないという感じ。
数学の先生や塾の先生がいつも「成績が悪いと行く学校がないぞ」と言っているそうで、長男は高校に行けないんだとすっかり思い込んでしまったようです。
わたしと夫は、無理に学校に行かせることはなく、できるだけ彼の話を聴くようにしていました。
心配性の長男は、「もう高校に行けなくて、そうすると大学にも行けなくて、そして死んじゃう」と言っていました。
彼が、そんな間違った思い込みを持っているとわかり、わたしたちは繰り返し行ける高校は必ずあるということと、例え高校に行けなくても、あなたの人生に大きな影響はない、という話を伝えました。
しかし、9月中旬からはほとんど学校に行けなくなり、毎日あまり食欲もない様子でカーテンを引いたままの暗い部屋でずっとスマホを観て過ごしていました。
子どもの言う「死にたい」の本当の意味とは?
そんなころ、長男はわたしに「もう、死にたいよ~」と毎日のように言っていました。部屋をのぞきに行ったときに、わざわざそう言ったり、
あるいは、私が仕事に出かける前に「今日は何してる?」ってきくと「ゲームして、あとは死んでる」とか。
もうねー、本当にそんな言葉は聞きたくなかったです。一番聞きたくない言葉だし、こっちが死んじゃうぞって。さすがに、最初にこの言葉を聞いたときショックで泣いちゃいましたが・・・
少ししたら、彼の本音に気づいたんです。
そっか長男は、死にたいんじゃなく、本当は死にたくないのよね。
そこで、わたしはきいてみました。
「ね、本当は死にたいんじゃなくて、死んでるのと同じくらい何もできないけど許してって言いたいんでしょ」
すると、彼は「うん、そう」と即答。
それっきり「死にたい」も「死にそう」も言わなくなりました。いっさい。
「何もやる気が起こらない僕でも、生きていていいの?」そんな疑問が解消したから、もう言わなくてもよくなったんですね。
人間、何もできないほど気力がなくなっちゃうこともありますよ。こんなときに、思いっきり休憩できる家庭にしておきたいと思うのです。
じゅうぶんに休んだら、また動き出せる。それが人間です。
子どもによっては「死にたい」ではなく「消えたい」というかもしれないし、「殺すぞ」の子もいるかもしれない。
でも、本当に消えちゃうときは、何も言わずに消えちゃいます。
「殺すぞ」って言ってる子も、同じ。そんなことを言う自分でもここに居ていいのか確認しています。
長男に「死にたい」って言われたとき絶望だったけど、本当は「生きてていい?」という意味だった。
これは、わたしの子育て至上最大の気づきになりました。
上っ面の言葉に振り回されないって大事。その言葉の奥にある、本当はわかって欲しいメッセージを受け取ること。
無理にでも学校に行かせることはいいことか?
子どもが不登校になると、無理に学校へ行かせようとするご両親も多いと思います。学校へ行くことが当たり前だという前提を強く持っているとそうなりますよね。
反対に、最近は「学校なんか行かなくてもいいんだ」という風潮もあります。復帰するための応援を一切しなくていいから、親は楽です。だからなのか、こちらへ流れやすかったりもします。
これ、どちらが正解かというと、どちらも不正解だと思うの。
両者とも、ちゃんと子どもに向き合っていないのです。
子どもはどうしたいのか?今はどう過ごしたくて、この先のことはどうしたいと希望しているのか・・・?
ちなみに、うちの長男の場合、毎日のように「あしたは学校に行きたい」と言っていました。
しかし、朝になるとお腹が痛くて行けなくなってしまう。
それなのに、「行きたくないなら、行かなくていい」とか物分かりのいいフリをしてたら、それは違います。
長男には「学校に行きたくなったらいけばいいし、フリースクールとかいろいろあるけど、どう思う?」など選択肢はできるだけ伝えました。
しかし、彼はあくまで「みんなと同じように中学に通って、高校へいきたい」と話していました。そうです、うちの長男は、みんなと同じように生きるということを大事にしているんでした。
ここがはっきり聴けてからは、わたしたちも学校に戻るためのサポートをしっかりしようという方向に向かい始めました。
学校に行けなくなって一ヶ月くらいがたっていました。
学校へ戻るためにどんなサポートをしたのか
どうすれば戻れそうか、長男にきくと、「英語と数学を教えて欲しい」と言ってきました。
わたしと主人は手分けして遅れた勉強を取り戻す手伝いをすることに。主人は数学。私は英語。
わたしは長男よりもひどい数学嫌いで、赤点を取ってたくらいでしたが、いちおう外国部学部出身ということで、中学生の英語くらいはなんとかなりました。
それから、アファメーションの言葉を作ってあげることにしました。なりたい自分になるためのおまじない言葉です。
長男に確認しました。
「学校に行けなくても幸せになれるアファメーションがいいか、それとも、学校に行けるようになるアファメーションがいいか、どっち?」
長男はもちろん、こう言いました「学校に行けるようになるやつ」。
そして、長男に「僕はできる、大丈夫」というとてもシンプルな言葉を作ってLINEに送ってあげました。
※息子との実際のLINEのやり取りです。
それから、数日で彼は学校に戻ったのです。
まとめ 子どもが不登校になったときに親はどうするべきか
長男が学校に戻れた理由は、「これ」とは特定できません。
アファメーションも彼がいったいどれくらいその言葉をつぶやいたのかわからないし、数学と英語を教えたと言っても、休んでいた間のすべてをできたわけではありません。
休む前の分でさえ、おろそかになっているわけですから、あの程度で自信を取り戻せるとはなかなか思えません。
そういうことではないと思うのです。
長男が学校に行けなくなった直接の原因は数学のテストがさっぱりできなかったという出来事でしたが、
彼の自信を失わせていたものは、本当は私たち親の無関心や愛情表現不足です。
愛情不足ではなく愛情表現不足です。愛情がなかったわけでは決してありません。
しかし、忙しすぎて色んなことに向き合う時間をおろそかにしていることに、長男は気づかせてくれたのです。
つまり、長男が2ヶ月足らずで学校に復帰できた理由は、話を聴いてもらったり、勉強を教えてもらったり、アファメーションの言葉まで作ってもらって・・・
そうやって、親の愛情を十分に感じて満たされたからです。
もちろん、子どもによって復帰までにかかる時間は違うかもしれないし、いじめがあったら、またそれは状況が違います。
たとえ、学校に復帰できなくても、子どもが自分の人生を取り戻すためには、十分な親の愛情以外に必要なものはないのです。
学校に戻ればいいって問題じゃなく、わたしたち親が目指しているのは、子どもが幸せになることです。そこを忘れちゃいけません。
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